思春期の子どもとCOVID-19~感染拡大中の挑戦



COVID-19感染拡大に伴い、卒業式、入学式などの学校行事、今まで楽しみに計画していたイベントがキャンセル、延期になって、子どもたちにとっても大変な日々となっています。そんな子どもたちを少しでもサポートしてあげる方法がhealthychildren.orgに掲載されていますので紹介します。

Teens & COVID-19: Challenges and Opportunities During the Outbreak

新しい日常をいっしょに作り上げる

子どもが健康的で、生産的なルーティーンを作るのを助けましょう

スケジュール通りに生活しましょう

オンライン学習の時間割に従った生活を送る。起きる時間を決め、運動し、シャワーを浴びて、着替えて、朝食をとるなど、何でもよいので、”学校生活”を始めるのに必要なことをしましょう。

夕食を”学校の時間”から夜へ変わるための時間にする

夕食のときに家族みんなであつまり、話をして食事を共にする。今日会起きたことなどを話して、楽しい会話の時間にしましょう。この時間は家族が一緒に静かな瞬間を観察することができる時間です。その後いつも通りの時間に眠れるようしてあげましょう。

休息・くつろぐ時間をつくる

普通の10代の子どもは家族からのプライバシーを求めてきます。かれらが静かな時間、創造的な時間、音楽を聴く時間、友達とオンラインで集まる時間などを与えましょう。これは友人たちから疎外された感情をやわらげてくれます。

コミュニケーションをとる

今起きていることの情報を共有する

 冷静に話をしましょう。COVID-19について、間違った情報を持っているなら訂正しましょう。そうすることで、手洗いのや顔を触らないことの重要性を理解してもらえます。

自宅にいることが命を救うことを強調する

Social Distancingがウイルスの拡大を防ぐために大切であるか話をしましょう。そして友達と屋外で遊んだり、野球やバスケットボールをしないようにルールを決めましょう。

前向きになるようにしてあげましょう。

自分たちが失ったものを考えるよりも、今後の予定や目標に向かって進む道をしめすことが大事です。

子どもたちが助けを必要としている兆候に注意する

悲しみ、気分の落ち込み、希望がない、不安、怒りの感情を抱いている子どもたちは、より多くのサポートが必要となります。可能であれば小児科医に相談しましょう。怒りっぽい、体重の変化、睡眠障害、繰り返しいやな出来事を思い出す、家族や友達と口論になるなどの症状がある時は注意しましょう。

安全に家族や友達とつながりつづける

・電話やメール、ビデオチャット、SNSを使ってつながりを持ち続けるようにしてあげましょう。プライバシー設定は注意するようがあります。オンラインゲームをすることも子どもたちにとっては楽しいですが、使用時間(Screen Time)は守らせるようにしましょう。

・子どもの多くはビデオチャットやSNSの知識を持っているので、両親や祖父母に教えることができます。

メディアの使用について

メディア使用に制限を設けることは大切ですが、今のような状況ではそれらが増えることも理解できると思います。オンライン、オフラインの時間プランについて一緒に考えるようにしましょう。子ども自身がプランを作成することは、そのプランを子どもが守ることにつながります。

家族や地域社会を助ける

新しい責任

 日常生活がかわり、家族は家事を行うために助けが必要な状況です。今まで以上の役割を果たしてもらうことについて話しましょう。例えば夕食の予定、調理をお願いするとか、小さい兄弟に新しいダンスや遊びを教える等があります。

バーチャルパーティー

 今までのように、家族や友達とつながりをもつ方法を考えてもらいましょう。ネットを使ったバーチャルパーティーに招待することを試してみましょう。Zoomのようなサービスを使えば、お互いの顔をみながら食事もできます。

家族プロジェクト

 家族写真をまとめたり、家族の歴史を再現するなどのプロジェクトを取りまとめてもらいましょう。このような計画は過去に家族で困難の乗り越えてきた祖父母に電話するいい機会です。

片付け・寄付

 部屋や物置など、いつもできなかった片付けを行う。寄付できるものがあるなら、今後のために準備するとよいです。

地域でのボランティア活動

 Social Distanceを守りながらでも、オンラインであれば活動はできます。電話やSNSで連絡をとることでだれかの生活をよりよくできるかもしれません。

危険な行動を起こしてしまう危険な時間

学校の授業がオンラインになると、時間割にそった生活から離れてしまいます。それにより子どもたちは危険な行動をとるようになります。喫煙(タバコ、電子タバコ)を避けることがこの時期にいかに大切か話し合うことは大切です。専門家は喫煙が肺の健康、免疫機能に悪影響をあたえ、COVID-19感染のリスクを高めると警告しています。

心と体の健康をたもつために

・ウォーキング、ランニングに一人、または家族とでかけましょう。ただしSocial Distanceを忘れずに2mは距離をあけるように注意してください。

・オンライン図書館にはたくさんの電子書籍、オーディオブック、音楽があります。新しい趣味やスキルを学んでみるのはよいです。

・動画をみて運動を行う。オンラインで動画や講座が開催されています。

・COVID-19が拡大している時の生活をビデオブログ(Vlog)に残してみる。

・家族といっしょにこの期間に起こったことのスクラップブックを作成する。

・美術館のバーチャルツアーやグーグルアースを使って世界中のいろんな場所を歩いてみる。いつの日か行ってみたい場所、その理由を調べることに挑戦してみましょう。

たくさん寝る。

まとめ

大人だけでなく、子どもたちもこの状況はきついものであり、自宅での生活をよりよいものにすることは、彼らの健康のためにとても大切です。この文章はアメリカ小児科学会からの情報で日本とは違う生活習慣もあると思いますが、みなさんの生活に少しでも役立てばよいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ABOUTこの記事をかいた人

病院で勤務する小児科専門医 1児(娘)の父です。 娘の誕生を機に、小児科医だからできる育児情報の配信をはじめました。 育児、子どもの病気、最新の論文を紹介していきます。