化粧品からアスベスト!子どもの使っている化粧品の成分を知っていますか?



アメリカ小児科学会は日本の学会が行わないような情報提供を、わかりやすく行っています。今回はFDA(アメリカ食品医薬品局)の発表から数日で掲載されたNewsを紹介します。

アメリカ小児科学会から化粧品への注意喚起

2019年9月12日にアメリカ小児科学会が以下のタイトルで文章を掲載しました。これは2019年9月6日にFDAが発表した内容を受けて作成された文章です。FDAからの発表はBeauty Plus cosmetic products recalled after testing positive for asbestosという内容です。Beauty Plusの化粧品からアスベストが検出されたので、リコールされたというものです。それ以前にもアスベストが検出された化粧品について写真入りで掲載されています。

Teens, tweens: Beware of cosmetics with toxic ingredients

アメリカ小児科学会からの文章は具体的な会社名や商品名は記載されていませんが、Teens、Tweens(8歳~12歳のTeensの前の世代)とその両親へ向けての記事です。

有毒な成分を含んだ化粧品に注意!

多くの親は子どもが食べたり、飲んだりするものの成分表示は読むのに、子どもの化粧品に危険な成分が含まれているのかはみていない。若い世代に向けて作られた化粧品に有毒な成分が含まれていた場合、会社やFDAは製品のリコールを知らせてくれます。しかし、それらは販売前にチェックされるわけではありません。FDAも製品を指示通りに使えば安全であることを求めているだけなのです。

自然由来成分が安全というわけではない

多くの化粧品は自然由来の成分が含まれていますが、それらはかならずしも安全というわけではありません。例えばヒ素、カドミウム、鉛、水銀は化粧品に含まれていたことがある自然の成分ですが、有毒です。クロミウム、コバルト、ニッケルはときに過敏症を起こすこともあります。

化粧品を見るときのポイント

親子で使える化粧品選びのポイントをまとめます

成分表示がない、成分表示が外国語

成分は表示されていなければいけません。そうでなければ違法に販売されている商品となります。(これはアメリカの法律に基づく記載ですが、おそらく日本も薬事法で成分表示には決まりがあると思います。また輸入品の場合は、日本語の記載があるが、外国語を理解することが大切です)

有害成分が別の名前で記載されている

鉛(lead)は “kohl,”、“kajal” 、“surma,”、水銀( mercury)は“mercurous chloride,”、“calomel,”、“mercuric”、“mercurio.”と記載されることがあるようです。(日本語ではわかりませんが、わからない成分が記載されていたら調べる必要があります)

タルク(滑石)が含まれている

タルクは粉状の鉱物で地中でアスベストの近くに形成されます。アスベストは癌や中皮腫を起こします。タルクを採取する際にアスベストが混入すると、化粧品中にそれらが含まれてしまいます。アスベストは最近、アイシャドー、コンパクトパウダー、コントゥアー・パレットから検出され、それらは若者向けに販売されていました。

化粧品を使うときに親子で注意すること

・親は、子どもに化粧品の使用方法を読むように勧め、化粧する前に手を洗うようにさせましょう。

・他の人と化粧品は共有しないようにしましょう。

・あたたかすぎる場所、湿気の多い場所に保管されていた化粧品は捨てましょう。

アメリカ小児科学会は、ニキビができにくい(non-acnegenic, non-comedogenic)と記載された化粧品を選ぶように親に推奨しています。また化粧をした日の終りには、石鹸や水で化粧品を落とすように。

 

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病院で勤務する小児科専門医 1児(娘)の父です。 娘の誕生を機に、小児科医だからできる育児情報の配信をはじめました。 育児、子どもの病気、最新の論文を紹介していきます。