子どもの便秘、お家での対処法、受診の目安を小児科医が解説



新生児、乳児の時は1日に何回もあった排便。

年齢とともに回数が減っていくと心配になる方も多いと思います。

毎日便がでないので便秘ではないか

浣腸はくせになる

どうやって対応したらいいかわからない

便秘への具体的な対処方法を説明していきます。

子どもの排便回数と便秘

正常な排便回数

子どもの排便回数は1日何回ぐらいでしょうか

  • 0~3か月(母乳栄養) 2.9回
  • 0~3か月(人工栄養)2.0回
  • 6~12か月 1.8回
  • 1~3歳 1.4回
  • 3歳以上 1.0回

成人も含めると週3回程度は正常範囲です。

便秘の場合

便秘と判断されるのは排便回数が週に2回以下のときです。

それ以上の排便回数であっても、

排便に伴う痛みがある

排便を我慢するような状態

直腸内に便がたまっている状態、それに伴う遺糞がみられる場合

このような状態も便秘として対応が必要です。

*遺糞とは直腸にたまった便が、溜まりきれなくなり少量ずつパンツに漏らす状態です。

便の状態をみる

ブリストル便性状スケールが、便の状態から便秘を判断するのに便利です。これはイギリス、ブリストル大学のDr.Heatonが1997年に発表した内容です。

Stool Form Scale as a Useful Guide to Intestinal Transit Time
S. J. Lewis &K. W. Heaton

Type1,2なら便秘と判断できます。

  • Type1 コロコロした便
  • Type2 ソーセージ状だが硬い便
  • Type3 表面にひび割れのあるソーセージ状の便
  • Type4 柔らかいソーセージ、蛇状の便
  • Type5 柔らかい半分固形の便
  • Type6 不定形の小片便、泥状の便
  • Type7 水様で、固形物を含まない液体状の便

画像はWikipedia Bristol stool scaleより引用

自宅でできる解消法

食物繊維をとる

食物繊維には水溶性と不溶性があります。どちらも便秘に対しては有効です。食物繊維が多いのは以下の食品です。

不溶性食物繊維

腸を刺激して、蠕動運動を活発にして、便通を促します

大腸で発酵・分解され、ビフィズス菌などが増えることで腸内環境を改善します

主な食品:穀類、野菜、豆類、キノコ類、海藻、甲殻類の殻など

水溶性食物繊維

大腸で発酵・分解され、ビフィズス菌などが増えることで腸内環境を改善します

主な食品:昆布、わかめ、こんにゃく、果物、里いも、大麦、オーツ麦など

水分を十分にとる

十分に水分をとるようにしましょう。食物繊維を多くとるようにしているなら、さらに多くの水分をとるようにするといいです。

目安として子どもが必要な平均的な一日の水分量を提示します。これは液体と食事も含めた量です。

全身の状態や、季節、汗などによる水分喪失などを考慮して調節を考慮しましょう。

  • 新生児で400~500ml(125-150ml/kg)
  • 3ヶ月児で750~850ml(140-160ml/kg)
  • 6ヶ月児で950~1100ml(130-155ml/kg)
  • 1歳児で1150~1300ml(120-135ml/kg)
  • 2歳児で1350~1500ml(115-125ml/kg)
  • 4歳児で1600~1800ml(100-110ml/kg)
  • 6歳児で1800~2000ml(90-100ml/kg)

排便習慣を整える

食事と水分摂取を改善すると同時に、排便習慣を改善させましょう。

食後にトイレにいく習慣のルールをつくる

トイレで排便出来たらご褒美をあげる

便秘が改善するまでトイトレは一旦中止する

*子どもがトイトレをプレッシャーと感じると、排便しなくなる場合があります。

避けた方がよい食事

子どもが好きそうな食事が便秘を悪化させることがあるので、可能な限り避けましょう。

  • ポテトチップス
  • ファーストフード
  • 加工調理済み食品(冷凍食品、ホットドッグなど)

ここまでやっても効果がない場合は浣腸や下剤を併用したほうがいいでしょう。以下のような注意点があります。

浣腸・下剤を使う

子ども用の浣腸・下剤は薬局で購入することも可能ですが、かかりつけ医と相談しながらの使用がよいです。

「浣腸がくせになる」ことは基本的にありません。必要時は安心して使いましょう。

下剤には、便を柔らかくするタイプ腸の動きを刺激するタイプなどの種類があり、便秘の様子からえらびます。

下剤の使用が長期に必要になることもありますが、排便の経過をみたうえで減量してほうがよいです。中途半端に中止することで、便秘がまた悪くなる場合があります。

これらの薬を使うときに大切なことは、食事や排便習慣を同時に改善させる必要があることです。薬だけで治るわけではありません。

便秘による合併症

便秘がひどくなることで以下のような合併症が起きることがあります。

痔、裂肛(切れ痔)、直腸脱

これらの症状で困ったときはかかりつけ医を受診しましょう。

また便秘により便塊が直腸にたまることで膀胱を圧迫し、夜尿(おねしょ)の原因となる場合もあります。

病院受診のめやす

便秘が改善しない場合合併症を認める場合は受診した方がよいでしょう。

お子さんの状況にあわせて必要な対処をひとつずつ行っていきます。

便秘には他の病気などが原因で起きるものがあります。ここで説明した方法で改善しないような場合は、そのような病気の可能性を考える必要があります。

まとめ

便秘は

食事、水分、排便習慣の改善が大切

改善なければかかりつけ医へ相談

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