RSウイルス まとめ 5つのポイント
①流行時期:始まりは9〜12月ごろ、おわりは2〜5月ごろ。
②かかりやすい年齢:2歳までにはほぼすべての子どもが一度はかかる。低年齢ほど注意が必要で、入院になりやすいのは生後2〜5ヶ月。
③症状:鼻水、発熱からはじまり、咳がでてくる。喘息のようにヒューヒューなることもある。
④治療:RSウイルスへの治療薬はなく、症状にあわせた治療をおこなう。
⑤検査:数分で結果がわかる検査がある。ただし誰もが検査できるわけではないので注意。
それでは詳しく知りたい方は以下の解説をよんでください。
①流行時期
主に秋冬にかけて流行する感染症です。幼稚園や保育園で流行することも多いので、情報があれば小児科医に伝えてください。
ただし、気候や地域によって流行に違いがあり、8月ごろから流行がはじまることが報告されています。
②かかりやすい年齢
1歳までに7−8割が感染し、2歳までにほぼすべての子どもが一度は感染する病気です。
一度かかっても、何度もくりかえし感染する特徴がありますが、2回目以降の感染ではだんだん症状が軽くなることもわかっています。年長児や大人では普通のカゼとほぼ同じです。
③症状
軽症から重症まで様々であり、年少児ほど気をつけなければいけません。特に生後6ヶ月未満は重症になりやすいです。兄、姉が感染した後、年下の兄弟にうつすこともあるので、小さい子どもほど、症状が気になった時は病院にいきましょう。
3〜5日の潜伏期のあと、鼻水、発熱から始まり、その後セキがでてくるようになります。喘鳴といって息を吐くときにヒューヒューと音がなり苦しくなることがあるので、息遣いがおかしい時は小児科で吸入治療をうける必要があります。
④治療
RSウイルスのための治療薬はありません。ですから、他のカゼと同じようにそれぞれの症状に対して薬などを使用して治療をします。
例えば、飲み薬、吸入薬、呼吸がきついときには酸素を投与することもあります。
自宅での治療では不十分、食事や水分がとれなくなる場合は入院になる場合もあるので、かかりつけ医の主治医によくみてもらってください。
RSウイルスへの予防としてパリビズマブ(商品名シナジス)という薬があります。これは予防接種ではないのですが、感染により重症になるリスクが高い子どもに使われる特別な薬です。保険で使用できる子どもは①早産でうまれた子ども、②心臓や肺に病気のある子ども、③ダウン症の子ども などとなっています。気になる方はかかりつけの主治医に相談するようにしましょう。
⑤検査
インフルエンザと同じように、めん棒を鼻にいれておこなう検査があります。数分で結果もでるのですが、保険で検査できる患者に制限されています。
①入院中の患者
②1歳未満の乳児
③パリビズマブ適応の患者
ですから、この検査を行なう主治医の判断にしたがってください。
「入院した病院ではすぐに検査をしてくれて、診断がついたじゃないか!」という経験をしたパパママがいるかもしれませんが、それはこのような事情があったからかもしれません。
まとめ
2021年4月はRSウイルスが流行しており、ここ数年と比べても増加傾向にあります。特に九州で流行しているので、みなさんの周りの状況にも注意してください。
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