タミータイムについて
タミータイムは赤ちゃんが腹ばいで過ごす時間のことです。
- 首と肩の筋肉の発達を促す
- ハイハイや転がったり、座ったりするときに必要な筋肉の発達を助ける
- 頭部の変形を防ぐ
などの効果があるといわれており、WHOをはじめ、各国の学会が家庭で行うことを推奨しています。
この記事ではタミータイムの様々な有効性を検討したSystematic Reviewの論文を解説します。
- タミータイムはどの程度行うと効果があるのか
- どのような効果があるのか
参考文献
研究について
0~12か月の乳児について研究し、英語で発表された論文16本(1998~2018年)をもとにかかれたSystematic Reviewです。
対象者
8か国、4237人の0~12か月の健康な乳児
方法
両親へのアンケートや育児記録をもとに情報を収集しました
- タミータイムの時間や回数
- 体を動かす運動の発達
- 手、指などの細かい運動の発達
- BMI
- 頭の形(斜頭症、短頭症の予防)
- 社会性と認知機能
結果
運動の発達
6か月未満の児では1日2回以上タミータイムを行うほうが、1日1回もしくはめったに行わない場合より、運動発達はよかった。
ハイハイ、お座りも、つかまり立ちもタミータイムを行うと早くなった。
30分以上タミータイムを行うと、頭を持ち上げる、手で体を支えるなどの運動がより優れていた。
生後2か月の時に15分以上行うだけでも、頭をあげる時期が早くなった。
手あしの細かい運動がよくなるという報告はない。
BMI
2か月時に12分以上タミータイムを行うと、4か月時のBMIが減少した
頭の形
1時間以上行うと、短頭症(後頭部の平たん化)が改善
一方、斜頭症(側頭部の平たん化)は変わらなかった
タミータイムの時間と斜頭症予防の関連はなかった
しかし、1日3回以下だと斜頭症のリスクは上昇した
社会性
タミータイムの有無と1歳での社会性に関連はなかった
2歳まで認知機能改善の効果があると報告する論文があったが、他の報告とあわせるとその効果は不確定である
考察
SIDS予防のために、あおむけが推奨された結果、頭の形の問題がでてきました。
その後WHOがタミータイムを推奨しましたが、ガイドラインでは頭の形、運動発達のみが注目されるのみでした。
BMIの改善も示され、不健康な体重増加も予防できます。
まとめ
タミータイムは、1日の回数、時間が多いほど、運動発達はよくなり、BMIは改善し、頭の変形リスクは抑えられる効果があるといえます。
WHOは1日30分以上を推奨していますので、可能な範囲で行うのがよいでしょう。
参考資料
アトランタ小児病院が公開している資料が、写真付きで分かりやすいです。
頭の変形を治したい方はこちらの記事もおすすめです
コメントを残す