1歳6か月健診 今だから必要な自宅でのチェック項目、目的を説明します。



新型コロナウイルスの流行により、集団での乳幼児健診が中止となっています。

早期発見にて対応可能な疾患が見逃される可能性があります。

1歳6か月健診で大事なこと、自宅でもチェックできることを解説します。

気になることがあれば、かかりつけ医へ電話で予約確認した後に受診してください。

歩行

1歳6か月のときに歩行できない子は、全体の2%以下といわれています。

10か月から1歳6か月ごろに、問題になる状態に、いざりっこ(シャッフリングベイビー)があります。

わきで支えて立たせようとすると、股関節をまげていやがることをいいます。欧米では8~10%との報告があります。

いざりっこはほとんどが問題ない行動なのですが、歩行できるのが遅くなる傾向にあります。

2歳ごろまでに歩行可能になる子どももいるので、慌てずかかりつけ医で経過観察してもらってください。

ことば

1歳にははっきりとした単語が話せるようになります。

1歳6か月では単語数が、3語以上はほしいところです。

単語については、スマホやテレビの時間が多い、会話の機会が少ないなどの影響で、理解はできても話せない子どももいます。

親の言葉を理解できているようなら、2歳ごろまで待ってみてもいいでしょう。

ただし、2歳では2語文の会話ができるようになってほしいです。

対人関係

バイバイできるかなどの反応をみます。

視線があわない、親の手におえないぐらい動き回る場合は発達障害が疑われます。

発達障害は早期診断、早期療育(子どもにあった教育)が重要になります。

判断のために大切な点としては、以下のようなものがあります。

対人志向性

ほしいものを指さして要求する

見てほしい物を持ってくる

共同注意行動

興味があるものを指さして伝える

親のすることをマネする

象徴機能

言われた言葉をわかっている

これらの点が気になるようなら、早めにかかりつけ医へ相談しましょう。

生活・栄養指導

食事・体格

食事内容や量は適切でしょうか?多少のムラ、好き嫌いはこの時期にはよくあることで、心配はいりません。

このころの体重増加は月に100~200g程度です。

判断が難しければ成長曲線に記録するとわかりやすいです。

明らかにヤセであるなら、食事についてのチェックが必要になります。場合によっては栄養指導を受けた方がよいです。

同じく肥満傾向にあるなら、食事内容、運動の見直しが必要です。

事故防止

子どもの活動範囲が広がるため、事故も多くなります。

不慮の事故死は、平成28年の1-4歳での死因第2位です。

家庭内外での転倒転落、やけど、溺水などに注意が必要です。

タバコなどの誤嚥も多いので、予防するように環境調整をしましょう。

予防接種

今までのワクチン接種がスケジュール通りできているか、うち忘れがないかをチェックしましょう。

家庭での様子

医師に慣れていない子どもは、大声で泣いて、健診が協力的にできないこともよくあります。

大事になるのは家庭での様子です。気になる点があればかかりつけ医に相談しましょう。

また、1歳6か月でできなくても、その後できるようになることもあるので、経過をみることも大切です。

まとめ

大事なのは3点です

歩行ができているか

言葉を話しているか

対人関係に問題がないか

 

 

 

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病院で勤務する小児科専門医 1児(娘)の父です。 娘の誕生を機に、小児科医だからできる育児情報の配信をはじめました。 育児、子どもの病気、最新の論文を紹介していきます。