SIDS予防の3つのポイント(さらにアメリカ小児科学会が推奨する11個のポイント)を解説



SIDSの定義

SIDS=Sudden Infant Death Syndrome(乳幼児突然死症候群)の定義は以下のようになります。

”それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予測できず、しかも死亡状況調査および解剖検査によってもその原因が同定されない、原則として1歳未満の児に突然の死をもたらした症候群”

平成17年に厚生労働省から厚生労働科学研究「SIDSの診断のためのガイドライン作成およびその予防と発症率軽減に関する研究」が公表され、様々な対策が行われています。

日本での発生数

厚生労働省のHPより以下のグラフを掲載します。統計をとるようになった平成7年時は579人と比較して大きく減少していますが、いまだに発生しています。

SIDSは12月以降の冬期に発症しやすい傾向があることから、厚生労働省は11月を対策強化月間と定め、毎年啓もう活動を行っています。

発症リスクを下げる3つのポイント

1歳になるまでは、寝かせる時はあおむけに寝かせる

うつぶせ寝はSIDSのリスクを高めます。これは頭の形を改善するために、うつぶせ寝が流行した際にSIDSが増加し、あおむけ寝が推奨されたことでSIDSが減少したことからも明らかです。

横向きに寝た場合も、あおむけと比べてより簡単にうつぶせになりやすいので、問題がある姿勢です。

「あおむけでは喉につまって窒息するのでは」と心配されると思いますが、解剖学的な構造、嘔吐反射があるため問題ありません。

あおむけからうつぶせ、うつぶせからあおむけに自由に移れるようになればそれほど心配はいりません。しかし、周囲にブランケット、枕、柔らかいおもちゃ、ベッドガードがあると、それらが呼吸を妨げる可能性があるので、置かないようにしましょう。

できるだけ母乳で育てる

2017年にPEDIATRICSに発表された母乳栄養の期間とSIDS予防についてのメタ分析です。

2267件のSIDS症例と6837人の健康な乳幼児を比較した結果、混合栄養、完全母乳栄養いずれも2か月以上続けている場合、SIDSに対して予防効果があった。その期間が2-4か月、4-6か月、6か月以上と伸びるほどより予防効果が強くなった。

Duration of Breastfeeding and Risk of SIDS: An Individual Participant Data Meta-analysis

保護者等はたばこをやめる

1994年の厚生省研究班報告によると、両親がともに喫煙する場合は、喫煙しない場合の約4.7倍もSIDSの発症率が高くなっています。また妊娠中の喫煙もSIDSを増加させるとするデータもあります。

喫煙者、喫煙者がいる場所から赤ちゃんを遠ざけるようにしましょう。あなたが喫煙者であるなら、ベッドを共有しないことがよいです。家の中だけでなく、車、屋外であってもタバコを吸わないようにすることが大切です。

アメリカ小児科学会が推奨する11のポイント

・十分に硬い寝具を使用する

安全基準を満たすものを使用しましょう。赤ちゃんが寝た時に凹まないものがよいです。赤ちゃん用のベッドサイド スリーパーもありますが、安全性の証明はされていません。

・親と同じ部屋で寝る

生後6か月まで、できれば1歳までは同じ部屋で、ベビーベッドをそばにおいて眠ることが望まれます。SIDSのリスクを50%ほど減少させ、同じ布団で寝ることよりも安全です。同じ部屋であれば授乳や様子をみるのも簡単になります。

・添い寝しない(寝具を分ける)

日本は家族が同じ布団で寝る習慣があるため、欧米の話と合わない部分もあるかと思います。以下の場合は特に注意をしてください。

・赤ちゃんがまだ4か月未満

・未熟児、低出生体重児であった

・家族が喫煙者

・親が眠気を強める内服薬を飲んでいる

・お酒を飲んだ

・自分が赤ちゃんの親でない

・柔らかい布団や、ソファーで寝る

・布団の周りに枕やブランケットなどがある

・授乳の時以外は親の布団に寝かせない

授乳の時に限っては一緒に寝てもよいのですが、あなたが眠りそうなら、枕やブランケットなどが周囲にないか事前に確認しておきましょう。目が覚めたら、速やかに赤ちゃんを赤ちゃん自身のベッドに移してあげましょう。

・ソファーや椅子で寝かせない

赤ちゃんを寝かせるのはとても危険です

・ベッド周囲に柔らかいものをおかない

ブランケット、枕、おもちゃが原因で窒息する可能性があるので置かないようにしましょう。もし体が冷えると思うなら、着れるようなブランケットにしましょう。一般的に大人が着ているものより、1枚多く着せるぐらいが赤ちゃんにはちょうどいいです。

また、布団とベッドの隙間にはまり込んで窒息することもあるので、一度寝具を確認することも大切です。

・おくるみはOK

おくるみは問題ありません。ただし、1)あおむけになるようにすること、2)呼吸ができて腰回りが動かせる程度のきつさにする点に注意しましょう。

・寝るときにおしゃぶりをさせる

寝るときにおしゃぶりをするとSIDSのリスクが減少すると2012年に論文が発表されました。育児の点から全ての赤ちゃんに行うべきことかは議論の余地があると思います。

Pacifier use and SIDS: evidence for a consistently reduced risk.

・妊娠中、出産後タバコ、お酒をのまない

タバコはSIDSのリスクを高めます。お酒で親が起きれなくなると、何かあった場合に対応できなくなります。

・乳児健診をうける

ワクチン接種がSIDSに対して予防効果があるといわれています。児の発達も含めて、必要な健診は受けるようにしましょう。

・Tummy Time(腹ばいの時間)をつくる

赤ちゃんが起きているときに腹ばいの時間をつくることは、運動の発達を促すという意味で重要です。またTummy Timeは頭の変形を予防するにも有用な方法です。頭の変更に関しては以下の記事がおすすめです。

赤ちゃんの頭の形で悩んでませんか?予防法、治療法を解説します。

2019年1月30日

Tummy TimeについてはChildren’s Healthcare of Atlantaのパンフレットがわかりやすいです。

Tummy Time tool(日本語版)

まとめ

まずは3つのポイントを守ることが簡単でよいかと思います。家庭の状況にあわせて赤ちゃんが寝る環境を作るときに、他のポイントを考えてあげるとよりよいでしょう。

実際に育児をする際には、どのような寝具、衣服がいいのか気になってくるので、アメリカ小児科学会が推奨するポイントが参考になると思います。

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