COVID-19により全世界で休校となり、多くの子どもが影響を受けています。
外出自粛が子どもたちの精神面に悪影響を与えることは、誰もが心配していることです。
この記事では、JAMA Pediatricsに掲載された論文を紹介します。
これは武漢と黄石市(おなじ湖北省)で、子どもたちのうつや不安について調査されたものです。
研究について
武漢市は2020年1月23日から4月8日まで、黄石市は1月24日から3月23日まで子ども達は自宅待機となりました。
それらの都市にの二つの小学校の子どもが対象です。
方法
小学校2年生から6年生までの2330人(武漢845人、黄石1485人)
オンラインで以下の調査に回答
- Children’sDepressionInventry-Short Form(CDI-S)
- Screen for Child Anxiety Related Emotional Disorders
前者はうつ状態を、後者は不安の評価として使用
結果
2330人中、1784人が回答(76.6%)
回答時の外出制限は平均33.7日間
うつ症状を認める児 22.6%
不安症状を認める児 18.9%
居住地域はどこか
CDI-Sスコアは黄石より武漢の子どもが高かった。β=0.092
うつ症状のリスクは高かった。odds比 1.426
ウイルス感染を心配しているか
コロナウイルス感染をほとんど、もしくはまったく恐れていない子どもは、心配している子どもよりCDI-Sスコアが低かった。β=-0.184
うつ病のリスクも低かった。odds比 0.521
楽観的かどうか
楽観的でない子どもの方がCDI-Sスコアが高かった。β=0.367
うつ病のリスクも上昇した。odds比 2.262
地理的な特徴や不安症状に関連はなかった。
考察
今回のCOVID-19に関連した中国からの他の報告より、この論文ではうつ症状がある学生は多かった。
またSARSの時の報告よりも、不安症状を訴える人も多かった。
子ども達への外出自粛がうつ症状を引き起こす可能性は高いと考えられる。
今後は精神面の症状がどの程度続くのか、研究する必要があると考えられる。
まとめ
予想できることですが、外出自粛の影響は子ども達に認められます。
楽観的、あまり心配しないことが、そうでない場合よりもうつ症状が軽いということは、子どもの世話をする上で大事なことだと思います。
親自身も不安でしょうが、子どもに過度な不安を与えない方がよいのかもしれません。
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