【論文】スクリーンタイムの増加は思春期の鬱と関連がある



スクリーンタイムと思春期の鬱病の関係性

カナダより3826人の思春期の男女を対象としたスクリーンタイムとうつ病に関する研究がJAMA Pediatricsに発表されました。以前よりスクリーンタイムとうつ病との関連性は報告されていましたが、これほどの多い人数の思春期男女を対象とし、4つの異なるスクリーンタイムについて、4年間という長期間研究したものは初めてとのことです。

原文:Association of Screen Time and Depression in Adolescence

研究の対象、方法

思春期男女3826人(平均12.7歳)を2012年~2018年の間、スクリーンタイム(1.ソーシャルメディア、2.テレビ、3.ビデオゲーム、4.コンピューターの使用)について調査しました。そしてうつ症状を主な結果として評価し、状況評価のため運動時間、自尊心についても調査しています。

それぞれのスクリーンタイムが4年間にわたりどのような影響を与えたのか、また1年間に個人にどのような変化をもたらすのかが研究されました。

なぜスクリーンタイムがうつ病と関連するのか?

著者らは3つの仮説を根拠として考えていました

displacement theory

スクリーンタイムに使う時間が、他の活動、例えば勉強や運動にとってかわってしまうという考えです。

upward social comparison hypothesis

自分よりも優れている人と比較することが影響するという考えです。SNSなど他者と比較しやすい媒体では起きやすいと考えられます。これにより自尊心に影響がでると考えられます。

reinforcing spirals hypotheses

繰り返し一方向の情報を受け続けることで、その考えにそまってしまうという考えです。例えば、暴力的な内容であれば暴力できになる。政治の考えでも同様で、保守的な内容を見続けることで、保守的な政治思想を持つように傾くということです。テレビでは放送する側の意図が反映されますし、ネットであれば気になる情報・考えで検索すれば、その方向へ傾く可能性があります。

結果

4年間にわたる影響はソーシャルメディアコンピューターの使用で使用時間が増えるごとにうつ症状が強くなることがわかりました。

1年間にわたる個人の変化についての研究でもソーシャルメディアテレビは、同様にうつ症状を強くするという結果でした。

なんとビデオゲームはうつ病とは関係がありませんでした。(友達とオンライン、オフラインで遊ぶことがよい影響にもなっていたと考えられます)

コンピューターを使用することが個人にとって効果的で、良い方向へ影響する可能性が示されました。

運動時間が減少することと、うつ病の関係はありませんでした。スクリーンタイムの時間が他の活動時間に影響を与えるというよりも、自尊心に影響を与える点がより問題になるようです。

この研究からわかったことは

これらのスクリーンタイムをやめることは、今の子ども達にはできないと思います。しかし、うつ病は今も、そして今後も大きな問題として考えられています。使用する時間が増えるごとに、うつ症状が悪化するわけですから、適度な使用にとどめるよう子どもへ助言することが我々にできることではないでしょうか?

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