産後うつに居住形態、同居している人が関連しているという研究結果についてお話します。
日本語の要約はこちらから
エコチル調査とは
この研究が行われたエコチル調査とは環境省が行っている大規模な疫学調査です。
2011年から実施され、日本の10万組の親子がに参加しています。
赤ちゃんがお母さんのお腹にいるときから13歳になるまで、環境要因と子どもの健康や成長についての研究が行われます
対象者
86490人の妊婦で、出産前2回、産後1ヶ月に質問紙で回答したひとが対象となりました。
この参加者たちはもともと、精神疾患の病歴はなく、抑うつ症状もありませんでした
研究の方法
産後1ヶ月の産後うつ症状発症を評価し、同居人との関連をしらべました。
同居人については以下のような分類になっています
パートナー
自分の親
義理の親
子ども
もう一つの大切なポイントとして、パートナーの育児参加についても評価が行われました
結果
産後1ヶ月において7780人(9.0%)に産後うつ症状が認められました。
➡産後うつに対して予防的にはたらいた
同居人が義理の親の場合
➡産後うつのリスクを上昇させる傾向がみられた
ただし!
パートナーの育児参加の評価が高い場合はこの関連はみとめられませんでした
この結果をどう考えるか
結果だけをきくと、義理の親=産後うつの原因というメッセージになりかねません
しかし、この論文には以下のような研究としての限界があります
居住形態の変化を追跡できていない
観察研究である
他に影響した原因があるかもしれない
自分で記載する質問表である
ですから、一つの可能性として考えるということが大切といえます
またパートナーの育児参加が影響を軽減する可能性が示されていることから
パートナーの育児参加を促すことで産後うつの改善が期待できといえます
コメントを残す