赤ちゃんにハチミツはダメ 乳児ボツリヌス症の症状・治療を解説



「Ⅰ歳未満の赤ちゃんにハチミツをあげてはいけない」

この情報は多くの人が知っていると思います。

この記事では

ハチミツがなぜ危険なのか

ボツリヌス菌とはどのような菌か

乳児ボツリヌス症の検査、治療

などについて解説したいと思います。

乳児ボツリヌス症とは

ボツリヌス症はどの年齢にも発症する病気です。

その中で、特に乳児に起きるものを乳児ボツリヌス症といいます。

ボツリヌス菌が出す毒素によって発症します。

 

なぜ、大人は食べてもいいのに、1歳未満の乳児はダメなのでしょうか。

それは腸内細菌叢が関係しています。離乳食へ以降することで、腸内細菌叢が成熟し、ハチミツに含まれる菌は問題にならなくなります。

乳児ボツリヌス症の歴史

日本で初めて報告されたのは1986年です。

翌年の1987年に厚生省(当時)から予防対策が発表されました。

それ以降2018年までに30症例が報告されており、2017年には初めての死亡も報告されています。

意外と歴史の浅い菌ですが、ボツリヌス菌とはどのような特徴があるのでしょうか。

ボツリヌス菌とは

ボツリヌス菌は土壌、河川などあらゆる環境に生息しています。

また芽胞という殻に包まれた状態となり、100度でも数時間耐えることができます。

この芽胞は低酸素状態になると発芽し、増殖します。そのため缶詰や真空パックの中で増殖し、ボツリヌス症を起こすこともあります。

ボツリヌス毒素

ボツリヌス菌が出す毒素がはどのようなものでしょうか?

この毒素がボトックスとして使用されていると言われれば知っている方も多いでしょう。

毒素によって神経から筋肉へ伝えられる信号を止めてしまいます。

そのため、乳児の場合、筋肉に力が入らなくなり、運動、食事、そして呼吸にかかわる筋肉が動かなくなります。

ボツリヌス症の感染源

乳児ボツリヌス症では、ハチミツが有名です。

すべてのハチミツに菌が入っているわけではありませんが、一般的に包装前に加熱処理をされないため、リスクが高くなります。

他にもコーンシロップ、自家製野菜ジュース、井戸水が原因と報告されています。

もちろん、検査を行っても感染源が特定できない場合もあります。

つまり、意図せずにボツリヌス菌を取り込んでしまう可能性もあるわけです。

 

では、乳児のどのような症状に注意すればよいのでしょうか。

症状

発症するまでの期間、潜伏期は明確にわかっていませんが、3〜30日と言われています。

便秘で気づかれることが多く、その他には手足に力が入らない、元気がない、哺乳力が弱い、泣き声が小さいなどがあります。

症状がひどい場合は、哺乳や呼吸ができなくなります

これらの症状を認めた場合は入院での治療が必要になります。

検査方法

病院で通常行われる検査では、ボツリヌス症の診断はできません。

保健所に依頼し、便や血液で検査ができます。毒素や菌が認められれば診断となります。

他に同じような症状を起こす病気を調べる検査が必要になり、同時進行で行われます。

治療法

症状に合わせた治療を行い、毒素の影響がなくなるまで待つ必要があります。

食事がとれないなら、管から栄養を与える経管栄養が必要になります。呼吸ができないなら、人工呼吸器管理が必要です。

過去の日本の症例をまとめた論文では以下のようにまとめられています

入院日数、中央値60日

呼吸器管理が必要になったのは23人中、16人

人工呼吸器管理が必要だった期間の中央値は33.5日

 

成人ではヒトボツリヌス免疫グロブリンでの治療方法がありますが、乳児では使用しません。

ボツリヌス症の経過

時間とともに徐々に改善していきます。

治療経過は長くなりますが、予後は良好です。

ただし、乳児ボツリヌス症で亡くなることもあるため油断はできません。

便中から菌が数ヶ月にわたり排出されるため、1歳未満の乳児が家族にいる場合は排泄物のケアも注意が必要です。

まとめ

啓発活動の効果で、日本での発症はまれです。

とりあえずハチミツはやめましょう。

ただし、原因不明の症例も少なくないので、気になる症状を認めた際はまずかかりつけ医へ相談しましょう。

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