クループ症候群



クループはどんな病気?

喉頭(喉の奥)、声門より奥の炎症でおきる病気。その多くは軽症で自然によくなるが、まれに気道が狭くなり重症になることもある。

クループの原因

パラインフルエンザウイルスやインフルエンザウイルスなどの、呼吸器に感染するウイルス。

COVID-19で小児のクループが増えているという報告がある。

クループが起きやすい年齢

6ヶ月〜3歳の乳幼児に多い。

症状

最も特徴的な症状は、犬がほえるようなせき(犬吠様咳嗽)。その他には、声のかすれ、喉の痛み、微熱を認める。

全身状態は悪くないことが多く、呼吸の苦しさの程度は様々。

聴診器で呼吸の音を聞くと、息を吸うときにヒューヒューという音(吸気性喘鳴)が聞こえる。

症状の程度は、吸気性喘鳴に加えて、陥没呼吸、多呼吸、不穏状態、倦怠感、食事や会話が困難な場合、中等症以上と考えて良い

治療法

エピネフリンの吸入は即効性があるが、効果は2時間程度でなくなる。

喘息のときに使う吸入の薬とは違うので、間違って使わないこと。

ステロイドの投与が有効で注射、経口での投与が行われる。ステロイド投与は重症度が軽くなる、病院への滞在時間が短くなるなど、様々な点で有効性が示されている。

参考文献

レジデントのための小児感染症診療マニュアル

小児の支柱感染症診療パーフェクトガイド

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病院で勤務する小児科専門医 1児(娘)の父です。 娘の誕生を機に、小児科医だからできる育児情報の配信をはじめました。 育児、子どもの病気、最新の論文を紹介していきます。