”犬が鳴いたような咳”がとまらないです・・・
そういって救急外来を受診する親御さんは多い。
クループ=犬吠性咳嗽は特徴的でわかりやすい症状、だれでも知ってる?
重症化の危険もあるので、クループ症候群を説明します。
クループ症候群とは
喉頭(気管と喉の奥:咽頭をつなぐ部分)周辺の病変で、気道上部がせまくなる病気です。
画像出典 国立がん研究センターがん情報サービス
ウイルスや細菌などの感染性、アレルギーなどの非感染性にわけられます。
ウイルス性が多く、原因のウイルスは様々なものが報告されています。
90%以上は3歳までにおきています。
どういう症状がでるの?
一番の特徴は”犬の鳴き声のような”咳です。
また呼吸症状が悪化すると嗄声(させい:声がかれる)、喘鳴(ヒューヒュー)
呼吸がきつくなると努力呼吸という状態になります
努力呼吸とは胸骨の上や肋骨の間を凹ませながらがんばっている呼吸のことです。
どうやって診断するの?
症状から診断します。
聴診器で音を聞くと息を吸うときに「ヒュー」と聞こえます。
アレルギー性を疑うのであれば、それなりの原因があると思います。
また子どもの場合異物が気道に詰まっている可能性も考えなければなりません。
X線画像(レントゲン)で気管が狭くなっている部分を認めることもあります。
原因が気になると思いますが、ウイルスを探す検査はしません。(基本的にできません)
細菌に関しては、菌を培養すれば見つけることもできますが、すぐに結果がでません。
一般的な血液検査から原因を推測することはできます。
喉頭蓋炎は重症で危険!
喉頭蓋は気管の入り口にある蓋です。
これが炎症で腫脹し、気道をふさぎます。
急な発症、高熱、咽頭痛、呼吸困難などがひどくなら注意が必要です。
重症な感じがあれば特に注意しましょう。
小児科医も注意が必要です。
クループ症候群の治療法は?
ほとんどが軽症で一過性です。自然治癒するものも多いです。
外来で吸入治療を行う場合があります。(エピネフリンを吸入)
ステロイドを内服や注射で使用することもあります。
細菌性が疑われれば抗生剤を使用します。
クループ症候群 まとめ
・”犬の鳴き声みたいな咳”、呼吸困難を認めたらクループ症候群かもしれません。
・軽症から重症までありますから、必要に応じて小児科を受診してください。
参考文献
1.開業医の外来小児科学 改訂第5版
2.小児呼吸器感染症診療ガイドライン 2017
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