熱性けいれんになったら!小児科医が教える最良の対処法



熱性けいれんまとめ

・生後6か月から6歳未満によく起きます

・10人に1人の頻度で起きます

・発熱にともなって起きるけいれん、後遺症等はのこりません

・けいれんが起きたら、助けを呼びましょう(救急車も可!)

どれぐらいの子どもで起きるの?

生後6か月から6歳以内の小児でおきます。

つまり小学校になるまでにはおきなくなります。

日本人での頻度はおよそ10%です。10人に1人て病気の頻度で考えると、とっても多いです。

男児が多く、女児の1.4倍起きやすいです。

どんな症状なの?

名前のとおり、38℃以上の発熱にともなっておきるけいれんです。

熱との関連は?

・発熱後12時間以内で、急激に上昇するときにおきる

そのため、けいれんで初めて熱にきがつくこともある

・一度起きると、その発熱の間は再度けいれんを起こすことはない

つまり、何度も短期間でけいれんを起こすものは熱性けいれんではないかもしれません

けいれんとは?

・意識を失い、呼びかけへの反応がない

・左右対称に両手もしくは両足がガクガクする、ピンとつっぱる動き

・発作時間は数分程度(長時間続くものは要注意)

熱性けいれんの予後は?後遺症あるの?

熱性けいれんの予後は良好です。知的障害や発達がおくれることもありません。

再発も、過半数の症例で起きません。しかし、

①発症が乳児期に起きた

②女児

③熱性けいれんの家族歴がある

これらの場合では再発が高くなるため予防を検討したほうがいいかと思います。

対応:落ち着く・・・できる?

ここからは小児科医テルがいつも熱性けいれんで受診した家族としている話です。

まず落ち着いて・・・そんなこといっても、落ち着けないよ!!!

ゼッタイ落ち着くなんて無理、無理、無理。

かわいいわが子が、けいれんしていて落ち着ける親なんていません。

今まで熱性けいれんで急患センターを受診した親は発症時には落ち着いていません。

落ち着けたら、これやって。小児科医が助かるから

もし落ち着いて行動できたなら

①こどもを安全な場所に寝かせて

②吐いてたら、顔を横にむけて吐物、分泌物が気管に入らないようにする

③こどものけいれんの様子を観察して(どんなけいれん?どこがけいれんしている?持続時間)

④一応問題がないか、かかりつけ医で経過をみてもらう

小児科医テルならこうする(個人的な意見です)

私は救急車を呼んでいいよと親に説明しています。その理由は

①落ち着いて対応できない親は多く、周囲に助けてくれる人がいない

まず落ち着けません。何していいかわからなくなります。子どもの様子すら覚えていないことが多いです

また家の周りにかならずしも助けてくれる人がいるとも限らない時代です

②本当に熱性けいれんか判断できない(特に初回では)

長時間つづくけいれんは普通の熱性けいれんではないこともあります

けいれん止まるまで待ってもいいですが、万が一を考えてもいいです

それに、経験のない親が正確にけいれんを評価できるわけがありません

③”呼んでいいよ”と説明されたということが、よい結果になると思う

通常の熱性けいれんは病院につくころには発作がとまっています

そんな時「救急車よんでごめんなさい」と言いだす親がいます

僕は「謝る必要ないよ!呼んで当然」と勇気づけています

そして熱性けいれんの説明をします

救急車という気持ちの余裕が、よりよいパフォーマンスにつながるはずです

 

以上、長くなりましたが、熱性けいれんの予防法は別の記事で記載します。

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ABOUTこの記事をかいた人

病院で勤務する小児科専門医 1児(娘)の父です。 娘の誕生を機に、小児科医だからできる育児情報の配信をはじめました。 育児、子どもの病気、最新の論文を紹介していきます。