マイコプラズマは初期症状が通常の風邪に似ていますが、咳は長引き、一般的に使用される抗生剤は効かないため、診断に時間がかかってしまうことがあります。この記事ではマイコプラズマ肺炎で知っておくべき知識をまとめて解説しています。感染しやすい子どもたちをもつ親御さんに役立つ情報をまとめていますので、最後まで記事を読んでみてください。
発生・流行
マイコプラズマは年中通して発生している感染症です。
欧米のデータでは年間、感受性のある人口の5−10%が感染すると報告もあります。
日本においては秋から、春にかけて報告数が多くなっています。、感染する年齢は幼児期、学童期、そして青年期が中心で、特に多いのは7〜8歳です。
日本では以前、4年周期でオリンピックのある年に流行を繰り返していました。1984年、1988年の大流行移行は全国での大きな流行はなく、その傾向は崩れていってます
感染経路
濃厚接触が必要と考えられているため、学校などで短時間触れるよりも、友人間での濃厚接触によるものが重要と考えられています。
予防するには手洗い、うがいなどの一般的な予防対策が有効です
菌の増殖と排出
マイコプラズマは体内に入ると、気道の粘膜表面で増殖し、粘膜を破壊していきます。これにより呼吸器症状が起きるのです。
病原体は最初に症状がでる2〜8日前にはすでに排出され、症状が出現したときにピークになります。1週間ほど高いレベルで排出されたのち、4−6週間以上排出が持続します。なかなか感染の予防は難しそうです。
症状
症状は熱や咳などよくある呼吸器感染症とかわりませんが、長引く咳が特徴です。最初は乾いた咳ですが、徐々にタンが絡んだ咳にかわっていきます。
聴診器で呼吸の音を聞いても診断に特徴的な音があるわけではありません。
つまり症状や診察だけでは診断は難しいのです。
それではどうやって診断するのでしょうか?
診断・検査
血液検査
残念ながら一般的な血液検査ではマイコプラズマ感染はわかりません。そこで参考になるのは周囲での流行情報、病気の経過、レントゲン検査です。
幼稚園や学校などで友達がマイコプラズマに感染したという情報があれば、かなり感染が疑わしくなります。
病気の経過で長引く咳があり、なかなか抗生剤などでの治療で改善がしなければ、医師は次にマイコプラズマを考えます。
レントゲン検査
レントゲンでマイコプラズマでよくみるすりガラス陰影というものがあれば、可能性は高まるでしょう。ただし、これも必ず認められる異常ではありません。
迅速検査での診断
もし迅速検査を行える病院やクリニックであれば、診断できる可能性があります。喉を綿棒でこすって、15分ほどで結果はでます。ただし、検査の結果は100%ではありませんから、診断や治療についてはかかりつけ医とよく話し合って下さい。
抗体検査
他にマイコプラズマに対する抗体を血液検査で調べる方法もありますが、当日に検査結果はわかりません。つまり、その日に治療を開始するという意味では使いづらい検査です。
治療方法
治療方法は抗生剤で、マクロライド系といってマイコプラズマに最も効く抗生剤を第1選択として使用すします。一般的によく使われる抗生剤は効かないので、最初に受けた抗生剤治療の効果がなかったということは有り得る話です。
もし、マクロライド系の抗生剤が効かなかったら、次の選択肢にはテトラサイクリン系やニューキノロン系とよばれる抗生剤も効果はあります。
しかし、テトラサイクリン系は8差未満の子どもに使用することができません。
オゼックスもその副作用から、積極的にマイコプラズマ肺炎に使われるわけではありません。
この2種類の抗生剤は、あくまでも第1選択の薬の効果がなかったときの選択肢です。
出席停止について
最後に出席停止についてですが、学校保健安全法における取扱でも特に定められていません。
症状が改善してもほぼ1ヶ月は菌が排出され続けるので、休ませてもしかたがないですしね。元気にすごせるようになったら、登校・登園しても大丈夫です。
しかし、症状次第では医師の判断で出席停止の判断がとられる場合もありますので、症状がきになるようなら、かかりつけ医に登校していいか相談しましょう。
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