砂糖入り飲料の消費と死亡リスクの関連性が報告されました。
JAMAに報告された論文によると、アメリカの成人での調査結果で、砂糖入り飲料(Sugary Beverage)の消費と死亡リスクに関連があることが報告されました。
これはREGARDS Studyからの二次解析で得られた結果です。この研究のREGARDSは(The Reasons for Geographic and Racial Differences in Stroke=脳卒中の地域的、民族的違いの理由)から命名されています。対象者は45歳以上のアメリカの成人で、脳卒中の死亡率について研究されたものです。
JAMAとは
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論文
Association of Sugary Beverage Consumption With Mortality Risk in US Adults
要旨
砂糖入り飲料と心臓血管疾患のリスクは以前より研究されていたが、同様の栄養(カロリー)を含むフルーツジュースとの関連はわかっていない。この砂糖入り飲料とフルーツジュースの消費と死亡率について検討する。
消費の実態については質の高い質問票を用いて情報が集められた。ジュースはエネルギー(カロリー)の量で高いものと低いものに分けられ、摂取量も検討された。
結果
13440人(平均年齢 63.6歳)を検討した。そのうち肥満は70.8%であった。研究期間中に1000人の死亡があり、168人が心疾患に関連する死亡であった。カロリーの高いのみものは低いものに比べると、全ての死因も心疾患による死亡もリスクは高かった。(全ての死因1.44 、心疾患1.14)。
全ての死因において砂糖入り飲料は12オンス(約350ml)増えるごとにハザード比(危険性の程度)は1.11に、フルーツジュースでは1.24であった。
ただし、砂糖入り飲料と心疾患死亡率に関連性は認められなかった。
結論
フルーツジュースを含めた砂糖入り飲料は全ての死因と関連(影響)があると考えられる。
フルーツ(果糖)は体に悪いのか?
果糖(フルクトース)は血液の脂質や炎症マーカー、血圧に影響を与えることがわかっています。一方で糖の大量摂取はインスリン抵抗性、糖尿病と関連があります。果糖は中心性肥満を起こすホルモン分泌を促します。肥満の悪化は心疾患リスクとなります。
結局甘い飲み物は体によくない
いわゆるジュースを飲まなくても、フルーツジュースや野菜ジュースは自然のものだから大丈夫と考えている人は多いと思います。アメリカ人、中年から高齢の成人を対象にした研究ですが、フルーツジュースもよくないという結果になっています。参加者の70%が肥満という部分も気になりますが、多量の甘い飲み物の摂取は控えたほうがよいみたいです。
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