【書評】小児科医の僕が伝えたい 最高の子育て
高橋孝雄先生は慶應義塾大学医学部小児科教授で、医師として36年間活躍されています。趣味のマラソンのベスト記録が3時間7分はすごい!(私は5時間6分です・・・)
内容は4章からなっています
子どもの個性、能力は親から受け継いでいる
遺伝によって受け継がれること、遺伝とまったく関係ないことなど、子どもの生まれもっている能力についてわかりやすい例を用いて説明しています。
悩める子育て、いったいどうすればいい?
生まれる前から、思春期までに親がであうであろう、子育ての悩みへ高橋先生の答えが書かれています。本当にいい胎教は?早期受験に意味はある?英語教育は誰のためなのか?。どれも自分や周囲の話として聞きそうなものばかりです。
親が心がけたい、子育てにいちばん大切なこと
勉強や運動ができるから立派ではない。子育てに最も大切なこと、親がしてあげられることは何かを説明しています。高橋先生の専門は小児神経ですので、子どもの発達に焦点をおいてかかれています。
病児とのかけがえのない出会いが教えてくれたこと
3人の病気の子どもたちとの貴重な経験が語られています。
私がこの本を読もうと思った理由
自分の娘にしてあげれることを見つけたかった
私の娘はまだ1歳です。しかし、すでに私の頭のなかは娘になにがしてあげられるのか、どう育ってほしいのかという心配でいっぱいでした。私は小児科医ですが、病気を治す知識はあっても育児をする知識や経験には乏しいです。人生の先輩であり、多くの子どもたちをみてきた高橋先生の経験が自分に役立つと思いました。
私が出会う子ども、その両親へよいアドバイスができるように学びたい
小児科医へよせられる質問は、主に病気のことです。特に大学病院や入院での治療を行う病院では、治療している病気が深刻であるため、その傾向が強くなります。親の願いは「健康になってほしい、元気になってほしい」ということです。病気についての知識は教科書をみれば多くのことがわかりますし、説明も比較的かんたんです。
しかし、小児科医にはもう一つの治療をおこなう場所があります。もともと健康な子どもが風邪などの病気にかかる、ちょっとした気になることがあるときに受診する一般小児の外来です。親からされる質問は、人生の経験からしか学べないことが多く答えに困ることが多いです。この本にはその答えが載っています。
この本から何を学び、変えることができたか
自分自身や親への答えを学ぶことができ、第2章がもっとも参考になりました。特に印象に残ったのは次の2つです。
「理想の母」を追い求めないで。子どもが好きなのは、今のおかあさん。
おかあさんたちは頭の中にある理想の母親像と、自分を比べてため息をついているのです。それは理想と言うよりも、妄想に近いかもしれないですね。
何事も理想は大切ですが、全てが考えているようにうまくいくとはかぎりません。親であるだけでよいのです。
英会話の勉強は誰のため?親の自分が始めてみてもいいんですよ。
おかあさん、おとおうさん「英語がぺらぺらとしゃべれるようになりたかった」と、子どもに夢を託すぐらいなら、今からでも遅くないです。時間をやりくりして、基礎からもう一度、やり直してみませんか。子どもに「英語力をつけさせてあげたい」と思うなら、まずはご自身から。
英語は日本での受験のことを考えても大切ですよね。まさにこの本を読んでいるときに、妻に娘の英語教育について話をされましたので、この言葉をそのまま返しました。家族みんなで英語を勉強して、海外旅行にいってみるとか素敵じゃないですか?
どのような人に読んでもらいたいか
育児のことでなやんでいる両親
親はみな、子どものことで悩んでいるとは思います。教育法、育児論がかかれているわけではありませんが、答えやヒントがたくさんあります。
小児科医(特に若手小児科医)
小児科医としてよりよい育児を家族につたえるため、この本を読むことをおすすめします。医者目線より親目線にたつことが大事です。
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