食物アレルギーの原因となる食べ物TOP3を、年齢ごとに解説

食物アレルギーの原因となる食べ物TOP3を、年齢ごとに解説



食物アレルギー 原因の食べ物は?

アレルギーは多くの親にとって関心の高い疾患かと思います。しかも、日本学校保健会による全国調査では平成16年と平成25年を比較すると、食物アレルギーの児童生徒は2.6%から4.5%と増えています。

食物を最初から除去する必要もありませんし、離乳食を遅らせることが食物アレルギーの悪化につながることはすでに知られていることですが、どのような食物が原因として可能性が高いかは知っておくほうがいいでしょう。

平成23年に行われた即時型食物アレルギー全国モニタリング調査結果より紹介します。

原因食物(初回発症)


1位 鶏卵 39.0%
2位 牛乳 21.8%
3位 小麦 11.7%

全年齢をとしての結果で、鶏卵、牛乳、小麦で約7割を占めます

ただし、原因食物は年齢により頻度が異なります。各年齢ごとの食品の種類と頻度は以下の通りです。
*年齢ごとに5%以上を占めるものを記載しています

年齢別 原因食物

0歳

鶏卵 57.6%、牛乳 24.3%、小麦 12.7%

1歳

鶏卵 39.1%、魚卵 12.9%、牛乳 10.1%、ピーナッツ 7.9%、果物 6.0%

2,3歳

魚卵 20.2%、鶏卵 13.9%、ピーナッツ 11.6%、ナッツ類 11.0%、果物 8.7%

4〜6歳

果物 16.5%、鶏卵 15.6%、ピーナッツ 11.0%、そば・魚卵 9.2%

アレルギーの症状


一般的に知られているアレルギーの症状としては蕁麻疹や息苦しさかと思います。

それぞれの症状を認める部位、その頻度は以下のとおりです

  • 最も多いのは皮膚症状で92.0%
  • 呼吸器症状は33.6%
  • まぶたなどの粘膜症状 28.0%
  • 腹痛・嘔吐などの消化器症状も認めます 18.6%
  • さらに症状がひどくなるとショックといって血圧が維持できない危険な状態となり10.4%に認めます

アレルギーかなと思ったら

気になる症状があるときはかかりつけ医へ相談してください。必要に応じてアレルギー専門医へ紹介してもらいましょう。

専門医の受診が必要?

食物アレルギーの診療の手引き2017に記載された、専門医紹介のタイミングはこのようになっています。
・原因食物の診断が難しい、原因不明のアナフィラキシーを繰り返すとき
・長引く食物アレルギーの診断見直し、栄養指導が必要なとき
・食物経口負荷試験が必要な場合

自己判断ではなく、かかりつけ医とよく相談してください

参考文献

患者さんに接する施設の方々のためのアレルギー疾患の手引2020

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

ABOUTこの記事をかいた人

病院で勤務する小児科専門医 1児(娘)の父です。 娘の誕生を機に、小児科医だからできる育児情報の配信をはじめました。 育児、子どもの病気、最新の論文を紹介していきます。