水腎症とは
腎臓でできた尿は、尿管、膀胱、尿道と一方通行で流れていきます。
この流れがつまったとき、逆流したときに腎臓にある腎盂、腎杯にたまる水分量がふえて、膨らんでしまう。
これが水腎症です。
ですから、改善がない場合は原因をみつけないといけなくなります。
胎児エコーでみつかることが増えた
以前は尿路感染症、腹痛、腹部腫瘤、血尿・蛋白尿などがきっかけとなって偶然みつかっていました。
今は胎児エコーが普及したため、胎児のころからみつかることが増えています。
ですから、医師から軽症の水腎症を指摘されて、心配でたまらなくなるご両親は多いかと思います。
一般小児科医として、最初に説明することも多くなったような気がします。もちろん、長期的にみたほうがいい場合、悪化する場合には専門医へ紹介しています。
頻度
胎児の800〜1500人に1人ぐらいでみつかります。
これは病気としては多いほうです。
だから、診断されたらまずは分類、病気の程度を把握するようにしましょう。
水腎症の分類
分類については画像はこちらから引用しました
Grade0 水腎症なし
Grade1 腎盂の拡張のみ
Grade2 腎盂と一部の腎杯の拡張
Grade3 腎盂とすべての腎杯拡張
Grade4 腎臓が圧迫されてうすくなる
専門知識がないと難しいので、とりあえず主治医からGradeを教えてもらいましょう
治療・経過
Gradeをもとに説明します
Grade1 自然に治ることが多いので、経過観察を行うだけです
Grade2 時々悪化することがあるので、注意深く経過観察を行います
Grade3,4 自然に治るのは難しいので、手術になる可能性があります。手術をすればほとんどの場合改善し、悪化するのは5%未満といわれています
まとめ
水腎症は症状がないまま経過することもあるので、油断せずにかかりつけ医でのフォローをつづけることが大事です。
小児の水腎症を専門に診察しているのは、小児腎臓専門医になりますので、産婦人科医、かかりつけ小児科医とよく相談して、地域の専門医につなげてもらうようにしてください。
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