新型コロナワクチンで発生した副反応の原因は?本当に危険なのか?

コロナウイルスワクチン



世界では新型コロナウイルスへのワクチン接種が行われています。

まだ接種が開始されていない日本では、ワクチンによっておきたアナフィラキシーと、発生した件数ばかりがテレビで報道されています。

それでは本当にワクチンは危ないのでしょうか?接種しないほうが安全なのでしょうか?

米国アレルギーぜんそく免疫学会が最新の情報を公開していますので、この記事で紹介します。

American College of Allergy, Asthma, and Immunology Updates Guidance on Risk of Allergic Reactions to mRNA COVID-19 Vaccines

アナフィラキシーの頻度

統計

2020年11月11日からファイザー、11月18日からモデルナのワクチンがアメリカでは接種がはじまりました。

その結果おきたアナフィラキシー反応は100万回接種あたり1.31です。

単純に確率にすると、0.000131%となります。すごく少ないですよね。

でも「6人がアナフィラキシーをおこしました」という表現のほうがインパクトがあるから、テレビでは多様されるんです。

でもこの頻度は、他のワクチンと比べてみたときどうなのでしょうか?

他のワクチンとの比較

ワクチンの添付文書には様々な副反応がかかれています。

まれにしか起きないものはどれも、0.1%未満でまとめられてしまうため、具体的な数字はわかりません。

厚生労働省がまとめた資料によると(平成27年10月1日から平成28年4月30日報告分)

製造販売業者からの副反応報告 0.0002%

医療機関からの副反応報告 0.0006%

ただし、これは全ての副反応です

 

アナフィラキシーだけの頻度をもとめると

推定接種回数 5144万に対して、アナフィラキシーショック、アナフィラキシー反応は22件でした。

確率は0.00004277%、100万回接種あたり0.42となります。

まだ始まったばかりのワクチン

ワクチン

確率だけをみると、どちらのワクチンでもアナフィラキシーがおきるのは非常にまれなことがわかります。

2つのワクチンではアナフィラキシーの頻度に差があるようにみえますが、接種した総数が違うので、今の段階では単純に比較はできないでしょう。

今後の情報をみていく必要があります。

 

では、今までのところアナフィラキシーに注意が必要なのはどのような人たちでしょうか。

注意が必要なひと

この点については以下のようにまとめられています。

初回接種でアナフィラキシーをおこした人

今まで他のワクチンで重篤なアレルギー反応をおこしたことがある人

マスト細胞活性化症候群の患者

特発性アナフィラキシー(原因不明のアナフィラキシー)

これらにあてはまる人は、主治医、専門家と相談することがすすめられています。

 

アナフィラキシーはワクチンに含まれる成分が原因で起きるのですが、何が原因なのでしょうか?

考えられる原因物質

現段階ではポリエチレン グリコールが可能性として考えられています。

ポリエチレン グリコールはワクチンの成分としては使われていませんでしたが、他の薬剤ではつかわれており、アナフィラキシーを起こすこともありました。

ただし、この情報はまだ可能性の一つなので、より正しい情報が発表されるのを待ちたいと思います。

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病院で勤務する小児科専門医 1児(娘)の父です。 娘の誕生を機に、小児科医だからできる育児情報の配信をはじめました。 育児、子どもの病気、最新の論文を紹介していきます。