【論文】砂糖入り飲料を飲まなくする有効な環境への介入方法を解説



Cochrane Libraryから環境を整えることで、砂糖入り飲料を飲まなくする方法を解説します。

Cochrane Libraryとは多くの論文をもとにして、解析を行うメタ解析を発表しています。メタ解析は根拠に基づく医療において、最も質が高いです。

砂糖入り飲料の消費を減少させる環境介入と健康への影響

 

Environmental interventions to reduce the consumption of sugar-sweetened beverages and their effects on health

2019年6月には要された論文です。58の研究を解析し、全参加人数は1180096人でした。観察期間の中央値は10ヶ月で、参加者は子どもから大人までです。

砂糖入り飲料とは?

冷たい、温かいを問わず、砂糖が添加された飲み物です。ノンダイエット飲料、炭酸飲料、アイスティー、スポーツ飲料、エナジードリンク、フルーツパンチ、甘味料が入った水、甘くしたお茶・コーヒーなどです。

なぜ砂糖入り飲料は健康にとって大切な話題なのか?

研究で、このような飲料をたくさん飲む人は、体重がよく増加することがわかっている。同様に糖尿病、心疾患、虫歯も増えます。医師、歯科医師らは全ての年代で、飲まないことを勧めています。政府、企業、学校、職場では人々がより健康的な飲み物を選ぶような取り組みを行っています。

このReviewの目的とは?

これらの取り組みがどれほど効果があったのかを評価の目的にしています。特にこのReviewでは環境を変えることで変化が起きることのみを評価しています。

この研究から判明した有効な環境への介入は?

  • わかりやすいラベル(栄養ごとに色分けされた成分表や、星の数や、数字で健康度を評価しているもの)
  • 学校で購入できる商品を制限する、より健康的な商品に置き換える
  • レストランなどでの価格を高くする
  • レストランの子ども用メニューに健康的な飲み物を載せる
  • 政府が発行するクーポンでは砂糖入り飲料を購入できないようにする
  • 地域社会で砂糖入り飲料に注目した活動を行う
  • カロリーの低い飲み物を家で飲めるように工夫する(宅配など)

また水や健康飲料を家で飲むことは体重減少を助けてくれることがわかりました。

この研究の活用方法

環境を変えることで、砂糖入り飲料を飲む機会を減らすことができることがわかった。このことがより広まり、政府や企業などと協力して、短期的・長期的な効果の研究が行われることが望まれる。

砂糖入り飲料は体に悪影響を与えます

こちらの論文では死亡につながる病気のリスク増加について評価しています。一緒にご覧ください。

甘いジュース、フルーツジュースは成人の死亡リスクを上昇させる。

2019年5月31日

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病院で勤務する小児科専門医 1児(娘)の父です。 娘の誕生を機に、小児科医だからできる育児情報の配信をはじめました。 育児、子どもの病気、最新の論文を紹介していきます。