熱性けいれんを起こしたことがあるお子さんが、保育園や幼稚園に通う場合、保護者の方はすごく心配ですよね。
同様に子どもの世話をする先生たちも、不安を感じると思います。
何を準備すればいいのか
けいれんが起きたらどうしたらいいか
救急車はよぶのか、よばないのか
この記事では保育園・幼稚園での熱性けいれん対応法を解説していきます。
準備をしておくべき3つのこと
熱性けいれんを起こしたことがある子どもが、再発する可能性は約30%といわれています。
再発をおこしやすい要素をもつ子どもで、準備が必要とかんがえられる場合は、つぎの3つを考えましょう。
1.主治医からの指示書・処方
熱がでたときの予防法や、けいれんが起きたときに必要な対応があれば、指示書をかいてもらいましょう。
予防としてダイアップ座薬の指示がある場合は、使用する体温、量、使い方を具体的に。
園で投薬することは法律上問題ないといわれていますので、必要であればおこなったほうがいいです。
<参考>学校におけるてんかん発作時の座薬挿入 学校における教職員による座薬の使用に関しては、プライバシーの保護に配慮し、以下の4 条件が満たされれば、法律上問題はないとされています。
① 当該児童と保護者が事前に医師より座薬使用の必要性と使用の際の留意事項について書面 で指示を受けている
② 当該児童と保護者が学校に対して座薬の使用を具体的に依頼している (医師からの座薬挿入時の留意事項に関する書面を渡して説明するなど)
③ 担当教職員は、本人確認、指示の遵守、手袋装着を行い、座薬を挿入する
④ 保護者または教職員は、座薬使用後、必ず医療機関を受診させる
引用元
保育園・幼稚園における けいれん対応マニュアル – 福岡市医師会
2.保護者への連絡先
いくつかの連絡先を準備しておきましょう。
携帯電話であってもつながらないこともあるので、園の判断でつぎの対応をきめておくと治療がおくれずにすみます。
かかりつけ医の電話もしらべておくこともよいです。
3.けいれん後の対応
けいれんが止まらない場合は救急隊へ通報しなければなりません。
けいれんが止まった場合でも、病院を受診したほうがよいこともあります。どの病院へ、いつ連れていくのか決めるとよいです。
ここまで準備です。ではけいれんが起きたらどうしたらいいのでしょうか。
けいれんへの対応手順
けいれんが起きてしまったときの対応手順です。
子どもの安全確保
けいれんをおこした子どもの周囲に危険があるなら、安全なところにうつして寝かせましょう。
応援をよぶ
決してひとりで対応せず、他の先生をよびましょう。ただし、子どもから目をはなさないことも忘れずに。
救急隊が必要と判断したときはすぐに通報しましょう。
記録(時刻、症状)
けいれんが起きた時間、どのような症状であったのかを記録してください。
記録すべきことの具体例としては
時間経過をまとめる
目がどこをむいていたか
けいれんのうごきは左右対称であったのか
どのような動きであったのか
このような情報が治療において必要になります。
気道確保
息ができるように服をゆるめ、吐物があったら体をよこにむけて口からとりだしましょう。
呼吸をしていないときはすぐに心肺蘇生をはじめて、救急隊へ通報してください。
間違った対応
やってはいけないことも覚えておきましょう
口のなかに割りばしなどをいれる
薬や水分をのませる
激しくゆする
強くおさえつける
最後に必要なことは
ここまで知識があれば、あとは事前に訓練しておくことをおすすめします。くりかえして、しっかり覚えてください。
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