舌小帯短縮症という病名はテレビでも紹介されていますので、聴いたことがあるかたもいるでしょう。
大人で滑舌が悪い人の病気だけではありません。小児科でも問題になることはります。
どのような症状か?、治療が必要になるときはいつか?、治療法、どの病院を受診すればいいのか?について解説します。
舌小帯とは何?
舌小帯は舌の裏側と、口の底のあいだをむすぶ粘膜です。
舌小帯の役割は2つあります
舌の運動機能の調節
舌が後ろへさがってしまうことを防ぐ
成長とともに舌が大きくなり、舌小帯が小さくなってだんだん目立たなくなります。
舌小帯短縮症とは?
短い舌小帯によって、舌の運動が制限される病気のことをいいます。
程度によって様々な分類法があります(Kotlow、望月、深田、伊東の分類)
頻度としては正常分娩児の5%未満におきるとの報告があります。
舌小帯短縮症の症状
乳児期の症状
乳幼児期の症状は哺乳がうまくできない、哺乳障害です。
赤ちゃんの哺乳障害の原因全体の1〜5%が舌小帯短縮症によるものといわれています。
幼児期以降の症状
幼児期では発音障害、いわゆる”舌っ足らず”な話し方になります。
特にラ行、タ行、サ行の発音の問題でみつかることが多いです。
見た目の特徴は、舌を出したときに舌の先が、ハート型にくびれることがあります。
治療が必要になるとき
はっきりとした治療(手術)を行う基準はありませんが、以下のようなときは治療が行われることが多いです。
哺乳障害があるとき
哺乳障害があるときは早期手術が望ましいとする意見があります。欧米では生後18日未満で哺乳障害がある赤ちゃんに手術を行って、80%が改善したという報告があります。
しかし、手術の痕が原因で舌のうごきがわるくなる場合もあるため、手術を行うかは慎重にかんがえる必要があります。
発音に問題があるとき
言語能力がそなわる4〜6歳ごろまでに言語聴覚士による評価を行い、手術が必要か判断します。
見た目上の問題
外見上の問題が、本人に精神的な影響をあたえると考えられる場合にも行われることがあります。
その他
管楽器が演奏できない、アイスクリームをなめることができないといった生活のQOLを考えて治療を行う場合があります。
治療法
一般的な治療法は、舌小帯を切る方法です。局所麻酔・表面麻酔で行う施設も多く、日帰り治療も可能です。
しかし、小さい子どものように、じっとすることができない、暴れる場合は全身麻酔が必要になるので、入院手術なるでしょう。
一度舌小帯をきっても、手術の痕の影響でまた短くなることもあるので、治療法、メリット・デメリットをしっかり確認して下さい。手術後に舌を動かすトレーニング(機能訓練)が必要なこともあるので、手術後のケアも忘れないようにしましょう。
また、舌小帯短縮症の程度が軽い場合は、舌を上手に動かすトレーニング(機能訓練)だけで症状が軽くなることもあるので、症状にあわせて選ぶとよいです。
どの病院を受診すればいいのか
外科系の病院で手術をうけることはできます。
耳鼻咽喉科、形成外科、口腔外科、小児外科などで行われています。
お住まいの地域で、病院がわからない場合は、まずかかりつけ医の小児科に相談し、専門の病院を紹介してもらうのが、おすすめです。
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