予防接種の問診票に”今までにひきつけ(けいれん)をおこしたことはありますか?”の項目。
熱性けいれんは予防接種できないの?まだ子どもだから予防接種しないといけないのに~
熱性けいれんと予防接種
熱性けいれんの好発年齢は、おおくの予防接種を行う時期とかぶります。旧予防接種法では熱性けいれんの最終発作から1年以内の予防接種は禁忌されていましたが、平成7年の改正により予防接種ができる状況になりました。
ちなみに欧米ではあまり気にされていないのか、熱性けいれんとワクチンに関する報告は少なく、基準もないようです。「ワクチンがけいれんを起こすことはない」、「ワクチンの熱も、一般的な熱もけいれんを起こす原因として差はない」といわれています。
熱性けいれんになっても予防接種をしていいのか?
どれだけ期間をあければいいか
今の日本のガイドラインでは「最終発作より2~3か月あければ接種可能」となっています。また主治医の判断で、単純型熱性けいれんであれば、1か月後でも可能とされています。
しかし、この2~3か月という期間に特別なエビデンスはないので柔軟に対応は可能です。一応初回のけいれんが本当に熱性けいれんでよいのか、他のけいれんを起こす疾患ではないのかを検討する期間として考えられています。
どのワクチンを接種していいのか
すべてのワクチンを接種してよいです。当日の体調には注意してください。
15分以上つづいた熱性けいれんを経験したことがある場合は、小児科あるいは小児神経の専門医とも相談されるとよいです。
どのワクチンは熱がでやすいか?
1.麻疹(風疹)ワクチン
麻疹を含むワクチンは2週間以内(7~10日頃)に発熱と発熱にともなうけいれんが増加するという報告がある。
2.小児肺炎球菌ワクチン、四種混合ワクチン、Hibワクチン
次いで肺炎球菌ワクチンの発熱が高く、四種混合、Hibワクチンはそれらより低確率です。これらは1週間以内(0~2日)に発熱がおきやすい。
日本で熱性けいれんの既往があるこども1000例での報告では再発は10例(1%)。これらは単純型熱性けいれんで、いずれも予防治療のダイアップは行われていなかった。
ワクチン接種にどうやって対応したらいいか?
感染症による発熱と同様の方法で、予防策をおこなえばよいです。再発リスクがあると考えられる子どもの場合は、対処法をまえもって話し合っておくと安心でしょう。
まとめ
・どのワクチンも接種可能です。
・最後の発作から2~3か月経過したら接種可能です。
・熱がでる可能性はあるので、再発のリスクがある場合は予防策をおこないましょう。
参考文献
- 開業医の外来小児科学 改訂5版
- 熱性けいれん診療ガイドライン2015
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